幹細胞を操作することで老化した髪の毛を再生させる方法を発見 | ニコニコニュース
また髪の話をしちゃったりしよう。米ノースウェスタン大学の研究グループが、新たに考案された発毛法でマウスの毛を蘇らせることに成功したそうだ。
ぽんぽんとブラシで頭を叩いて頭皮を柔らかくして発毛をうながす方法は以前から知られていたが、最新の方法は、頭皮ではなく毛包の幹細胞を柔らかくするのだ。
毛包の再生を担う組織幹細胞「毛包幹細胞」は加齢とともに柔軟さを失い、毛が生えにくくなる。それを小さな「マイクロRNA」で柔らかくしてやるのだ。
まだマウス実験の段階だが、これにより新しい毛髪の生成が可能になるという。
帽子に仕込んだデバイスでこっそり育毛するとか、ハゲきる前に毛包を摘出して保管、培養して頭皮に戻すなど、世間にはさまざまな発毛法があるが、今回の実験的発毛法は、硬くなった毛包幹細胞を柔らかくするというものだ。
発毛は毛穴の奥底にある「毛包幹細胞」が分裂することで始まるが、歳をとるとこれが硬くなって、だんだんと毛が生えにくくなる。
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マイクロRNAで毛包幹細胞を柔らかくする
そこで、その髪の毛の素である毛包幹細胞を柔らかくすることで、毛が生えやすいようにしてやるのだ。
だが、そんなものをどうやって柔らかくすればいいのか? ノースウェスタン大学の研究チームが使ったのは「microRNA(マイクロRNA)」だ。
私たちの体の設計図はDNAによって書かれている。この設計図から実際に体の中で使われる材料を作るには、まずその内容をRNA(正確にはメッセンジャーRNA)に書き写さねばならない。必要な材料(タンパク質)は、これを元に作られる。
マイクロRNAはこのRNAの一種だが、とても小さくて、材料の情報が何も書かれていない。そのかわり、RNAにくっつくことで、その働きを調整している。
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マウス実験では10日で発毛毛に成功
発毛に有望なマイクロRNAは過去にも発見されているが、今回の研究では「miR-205」というマイクロRNAが使われた。
その実験では、マウスの幹細胞を遺伝子操作して、miR-205が普通よりもたくさん作られるようにした。
すると毛を生やしてくれる毛包幹細胞が柔らかくなり、若いマウスからも老いたマウスからも毛が生えてきたのだ。
その効果は素晴らしく、実験開始からたった10日で発毛が始まったとのことだ。
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この方法は人間にも効果があるのか?
さて、気になるのはこれが人間にも効くのかという点だ。
この実験では、新しい毛包幹細胞が作られたわけではない。毛包内にあるのに硬くなってうまく毛を生やせなくなった幹細胞を刺激することで発毛をうながしている。
研究チームのポール・E・スタイナー教授は、この研究は細胞の働きを制御することで発毛を促進できるだろうことを示していると、プレスリリースで説明する。
今回のように遺伝子を操作せずとも、ナノ粒子を使えば頭皮に直接マイクロRNAを注入できるはずなので、次はこの方法をマウスで試してみるそうだ。
そしてそれにうまくいけば、ついに人間にも発毛効果があるか確かめる実験に取り掛かるとのこと。その結果が肩透かしにならないことを祈りたい。
この研究は『PNAS』(2023年5月22日付)に掲載された。
References:Scientists find way to make aging hair regrow by manipulating stem cells / written by hiroching / edited by / parumo
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(出典 news.nicovideo.jp)