【舞いあがれ！】まとめ28話、舞ちゃん鳥人間コンテストのゲスト！

新宿スワン号の記録はなんと3.5kmだった。琵琶湖に響く部員のため息、どこからか聞こえる「来年は廃部だな」の声。
無言で帰り始める部員達の中、パイロットの舞は独りベンチで泣いていた。「どうすりゃいいんだ・・・」舞は悔し涙を流し続けた。
どれくらい経ったろうか、舞ははっと目覚めた。どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」舞は苦笑しながら呟いた。
立ち上がって伸びをした時、舞はふと気付いた。
「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」
ベンチから飛び出した舞が目にしたのは、琵琶湖が干からびそうな程の観客だった。千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように近鉄バファローズの応援歌が響いていた。
暫時、唖然としていた舞だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
坂口と岩隈からグラブを受け取り、琵琶湖へ飛び込む舞、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている内川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った